レザーの種類と特徴
牛革 カウレザー

牛革は、日本でも古くから利用され、人々に親しまれてきており、衣料やバッグ、ベルトに靴など 様々なものに使用されてきました。もともとは、牛肉を食べる習慣のあった北アメリカで加工技術が進み、 ポピュラーなものとなっていきました。牛革は、とても丈夫で耐久性にも優れ、見た目にも美しく、種類が 豊富で月齢や性別などによっても革の名称が異なり、様々な用途があります。
カーフスキン
生後半年以内の仔牛の革のため、傷が少なく滑らかでキメが細かくとても柔らかい高級革。特に 生後3カ月以内の仔牛からとれる革はベビーカーフと言われ、薄く滑らかでキメが更に細かいため最高級革 として扱われています。
キップスキン
生後半年から2年までの中牛の革で、仔牛のため傷も少なく、キメも細かい。しかし、カーフスキンと比べ 若干厚みがある分強度があり汎用性が高く、高級革として扱われている。
ステアハイド
生後2年以上の牡牛で、生後3カ月から半年以内に去勢された牛から採れる革で、厚みが均一で表面キメも 細かいのが特徴です。食肉用の牛から採られることから、牛革の中で最も一般的なのがステアハイドです。
カウハイド
生後2年以上の出産経験のある牝の成牛から採れる革で、厚さも強度もほどほどあり、成牛であるため、 比較的大きな革で、ジャケットや大きなカバンなどに使用されるなど最もポピュラーな革です。
ブルハイド
去勢されていない3歳以上の牡牛の革で、シボが大きく、牛革の中では最も固く丈夫で耐久性に優れていますが、 柔らかさがないため、加工がしづらく汎用性には欠けます。
ハラコ

牝牛のお腹の中で死んでしまった胎児や死産してしまった仔牛から採られた皮で最高級品として取り扱われています。 出産されていないという意味からアーボンカーフとも呼ばれていますが、ハラコをよく見極めないとポニーなどをハラコ と偽って販売している場合もあります。
羊革 シープスキン

羊の革は、キメが細かく、薄くてしっとりと柔らく手に吸い付くような感触の良さが特徴ですが、他の革と比較して
強度や耐摩耗性に欠け、ウールシープとヘアシープの2種類があります。
主にジャケットやコート、高級手袋にインテリア用品などにも使用されており、毛皮を活かしてなめすことでムートンとして利用されます。
ウールシープ
ムートンの原材料としても使用され、寒い地域で飼育されていることから、身体全体が毛で覆われており、栄養の ほとんどが毛に行ってしまうことから革の品質としてはあまり良いとは言えません。
ヘアシープ
ヘアシープは、ねじりのない毛質である直毛で、暖かい地域で飼育されるため、毛や脂肪が少なく、皮の繊維も 細かく引き締まっているため、ハリがあり丈夫で良質な革となります。
ラムスキン
生後1カ月以内の仔羊から採る革を「ラムスキン」といい、極薄で、軽く、とても柔らかでしなやかな革で
高級素材として取り扱われます。皮表面がとにかくきめ細やかで美しく、優しい手触り感で、高級ブランドの
お洋服や手袋、バッグなどのも使用されます。
また、生後半年以内の仔羊から採った革は「スーパーラムスキン」と呼ばれており、ラムスキン以上に高級な
革として取引されています。
馬革 ホーススキン
馬は、牛と違い運動量が格段に違うため脂肪が少なくいことから、皮自体も薄く、その分軽く柔らかいのが特徴ですが、 皮の部位によっても大きく性質が異なります。
ホースハイド
ホースハイドは繊維密度が低く、強度もそれほど高くないですが、薄くて柔らかで独特な艶や質感があることから、 ジャケットや財布などに利用されています。
コードバン

馬の臀部から採れる革で、空気も水も通さないほど繊維が緻密で硬く、また、鏡のような光沢がとても美しく、 その希少性と質の高さからレザーの中でも非常に高価な最高級品と言われています。主にキーケースや財布などの 小物に利用されていますが、デメリットは水には非常に弱いということです。
豚革 ピッグスキン

豚の皮の大きな特徴は、三つ穴の毛穴で、表皮を貫通しているため通気性に優れており、薄くて、軽いわりに 十分な強度もあります。国内で流通するほとんどの豚革は日本で生産されたもので、品質の高さから海外へも輸出 されています。また、豚革をスエード調に仕上げた革はとてもポピュラーで、服やジューズ、更には優れた通気性から シューズの中敷きにも利用されています。
鹿革 ディアスキン

鹿の皮は、他の皮と比較してとても軽く、柔らかで羊の革に匹敵するほどです。また、鹿皮は独特な皮組織により、 湿度調整を自動で行ってくれることから、湿気の多い日本風土にもとても適しています。さらに、手触りがしっとり 滑らかで、耐水性にも優れているなどの特徴があり、「第二の皮膚」とも呼ばれており、日本では古くから衣類や武具などにも 使われてきました。植物油でなめしたセーム革は、とても柔らかく、水分を吸収しやすいため、眼鏡のレンズや自動車磨きにも 使用されています。
山羊革 ゴートレザー

山羊革は、軽くて薄く柔らかいのに強度があり丈夫で、型崩れしにくいという特徴から、カバンや財布、ベルトなどに使用されます。
特に突出すべきは強度で、革自体は薄くて手触りも柔らかですが弾力があり、摩擦や型崩れしにくく、また、革の表面は、
きめ細やかな美しいシボ(シワの模様)で覆われています。
ゴートスキン
生後半年以上の山羊の革をゴートスキンと呼び、大人の山羊の革でも、薄くて軽く、美しいシボが特徴。また、牛革を上回る強度もあり、 型崩れしないだけでなく、摩擦にも強い性質があります。
キッドスキン
こちらは生後半年までの子供の山羊の革で、革の繊維密度がゴートスキンより細かく、繊維が細かい分、染色のしやすく美しい仕上がりが特徴で、 革自体も小さいため、希少性があり高級な革とされています。